機能性表示食品を販売したいと考えているメーカーは消費者庁に届出をして受理してもらう必要があります。機能性表示食品を販売するときにはシステム上で手続きをする必要がありますが、その手続きの一つとして変更届があるのを知っているでしょうか。
この記事では変更届とは何かを解説し、届出からの日数についての重要性を紹介します。
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機能性表示食品の届出の流れを知ろう
機能性表示食品制度を利用して機能性についての表示をして製品の販売をできるようにするためには、消費者庁に届出をして受理してもらうためのプロセスを正しく進めなければなりません。変更届について理解する上でも機能性表示食品の届出の流れをまずは知る必要があります。
機能性表示食品として届出をするためには準備を整えなければなりません。開発した食品に含まれている機能性関与成分について基礎研究や情報収集、さらには臨床研究を実施して、何らかの効果を示す科学的根拠を得る必要があります。
そして、集められた科学的根拠に基づいてどのような効果があると表示するかを考えます。その表示方法についても検討し、届出のための書類を整えるのが必要な準備です。そして、書類を消費者庁に提出すると確認作業が適宜実施されます。
提出してから確認が終わるまでの日数は60日以内と定められているので、最悪でも60日後には結果の通知があるでしょう。機能性表示食品の届出数が増えてきているため、長い日数がかかる傾向があります。初期には数日で終わるケースもありましたが、近年では60日ぎりぎりになるケースが目立っています。
ただ、確認作業を受けて差し戻しを受けることも少なくありません。書類の不備や誤記などによる差し戻しの場合もありますが、典型的なのは表示内容や表示内容に関する指摘を受けるパターンです。その内容を変更して再提出することにより再び確認をしてもらうことができます。
再提出してから確認作業が完了するまでにかかる日数も60日以内と定められています。そのため、消費者庁に書類を提出してから120日程度もの日数がかかる可能性があると考えて届出をする必要があるのです。
届出が確認されて受理されると機能性表示食品として販売ができるようになります。書類に記載した通りのパッケージにして機能性表示をしなければならないことから、一般的には受理されてからパッケージの手配を進めて販売するという流れで機能性表示食品の販売が開始されています。
機能性表示食品の変更届とは
機能性表示食品制度における変更届とは、機能性表示食品として消費者庁に届出をした内容に変更をするときに提出する書類です。
機能性表示食品制度ではオンラインシステムを利用して届出を提出できるようになっています。
そのため、食品関連事業者としてシステムへの登録を済ませて新規の届出をした後であればシステム上で変更届を作成して提出可能です。
変更届は届出者の法人名や代表者名、住所や電話番号などの基本情報に加えて、食品の区分についても変更ができます。機能性関与成分についての食経験や安全性試験の結果などについても有無を変更できるようになっているのが特徴です。
変更届はいつ提出する必要があるのか
機能性表示食品の変更届を提出する必要があるタイミングは大きく分けると二つあります。一つ目は機能性表示食品として販売している食品の機能性などに関連する部分で変更が生じた場合です。安全性試験を実施して十分な安全性が確認されたり、人を用いて最終製品による臨床研究を実施して機能性評価をしたりした場合には情報を更新するとデータベース上に反映されます。
機能性表示食品について調べたいと考えた人は消費者庁のデータベースをよく利用しているので、より魅力があると言える根拠ができたときには変更届を出すと売上が上がる可能性があるでしょう。二つ目は機能性関与成分や表示しようとする機能性については変更がないけれど、製品の最終形態を変えた場合です。
食品の区分を変更することは変更届をすれば可能なので、最終形態を変えて同じパッケージで販売する場合には簡単な方法でしょう。常温で販売していた生鮮食品を加工して冷凍食品として販売するといったケースが考えられます。
大抵の場合には食品としての性質が変わってしまい、パッケージも変えなければならないので変更届では対応できませんが、手続き的には負担が少ないので覚えておくと良い方法です。
商品名や機能性表示は変更できない
商品名や機能性表示について変更したい場合にも変更届を出せば良いと考えるかもしれません。機能性の表示に用いる文言は届出者が考える仕組みになっていて、消費者庁が消費者に誤解を生むことがないと判断したら受理される仕組みになっています。
この内容を変更したい場合にも受け付けてくれるのではないかと思うかもしれませんが、商品名や機能性表示の内容については変更届では対応してもらえません。このような変更をするには新規の届出をして、既存の届出を撤回することになります。
新しい科学的根拠ができて機能性表示をもっと充実させたいということはよくありますが、その場合には一から届出を始めなければならないのです。
機能性表示食品の変更届で考えるべき日数とは
機能性表示食品の新規の届出をするときには60日以内に確認がおこなわれますが、変更届については消費者庁が対応する日数についての定めがありません。ただ、機能性表示などについては変更できないので、変更によって機能性表示食品ではなくなるというケースはあまり想定できないでしょう。
そのため、速やかに変更届が受理されてデータベースに反映されます。
ただ、気を付けなければならないのが変更届で対応できない変更をしたい場合です。この際には日数を意識しておくことが必要で、上述のように新規の届出をしなければならず、最長で120日くらいかかってしまいます。機能性表示食品について変更をしようとするときの注意点として押さえておくべきポイントです。
機能性表示食品の変更可能な範囲と日数に気を付けよう
機能性表示食品の変更届は科学的根拠の変化があったときには速やかに反映される魅力があります。ただ、その根拠の変化に応じて機能性表示の内容を変更することは変更届ではできません。新規の届出をする必要があるので、受理されるまでにかかる日数を意識しなければなりません。
変更届でできる手続き範囲を理解しておくのは重要と言えます。